オイゲン・シュタイナハEugen Steinach

シュタイナハは、生理学者で、内分泌学のパイオニアとも言われている。1861年1月28日、オーストリア帝国内のホーエンエムスで生まれる。プラハのドイツ大学生理学教授を経て、1912年、ウィーン科学アカデミー生物学研究所の生理学部長となり、1919年、ウィーン大学教授。1920年、若返り法として精管結紮(けっさつ)法を提唱した。ネズミの精管を結紮すると、副睾丸(こうがん)および睾丸の中に精子が鬱積して、精細胞がだんだん退化し、ついには吸収されてしまう。そのかわりに、内分泌をつかさどる間質組織が増殖し、内分泌機能が旺盛となって若返る。この手術を人体に応用したとき、動物実験の結果と同じかどうかの点は、賛否さまざまであった。シュタイナハの手術は一時世界各国で流行したが、その後人体では動物実験ほどの効果がないとの見解が多数派となり、今日では行われていない。シュタイナハは、1944年にスイスの地で亡くなった。